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本専攻について

技術経営戦略学専攻のめざすもの

教授 松尾 豊

「技術経営戦略学」とは何でしょうか?狭義には「技術経営」とは、技術を企業で活用し、技術の視点で企業経営を論じることです。「技術経営戦略学」には、工学的な技術資産を適切に組み上げて国家や社会における価値に結びつけるグランドデザインや戦略、そのために必要な技術の活用や価値発揚の在り方を論じるといった、技術経営よりももっと広い視座をもった学問という意味がこめられています。

近い将来に若い世代の皆さんの手で実現が期待される未来像を想像してください。例えば、最新のAI技術がさまざまな業務の効率化や自動化をもたらす未来、各種エネルギー技術を実装して脱温暖化に成功する社会、自然災害やパンデミックなどの脅威に強靭に対応するレジリエンスをもつ生活、工学に根ざした独創的なアイディアをもった多くの起業家を輩出し活性化する経済などです。いずれも狭義の技術経営や、専門的な工学知だけでは実現することが難しいことに気づきます。横断的な工学的知識、さらには経済学や社会学などの異なる領域の知見を取り込み、俯瞰的かつ戦略的な視点から工学的な技術を社会における価値につなげることが、その実現のために必要となります。 

技術経営戦略学専攻では、技術、経済・経営、社会にまたがる多様な領域からの教育、国際化の進む社会課題の解決を視野に入れた横断的な研究を行っています。在籍する教員は多様な専門分野から成り、研究・教育にあたっています。異分野の学際的な知識に柔軟に協調し、社会全体の価値の最大化につながる観点からの意思決定を学ぶには最適な環境です。集まる学生も留学生を含めて多様で、研究室の生活の中からも、技術経営戦略に必要な柔軟性や寛容性を身につけることができるでしょう。工学に根差した技術に習熟し、経営を理解して人を動かし、さらに俯瞰的な視点をもって様々な社会的な課題を解決し、新しい価値を生み出すことのできる人材を育成しています。またアントレプレナー教育によって、リーダーシップと論理的能力を兼ね備えた自立した人材を育成することにも力を入れています。次世代を担う意欲を持った皆さんのチャレンジを心から待っています。

教授 松尾 豊